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証券マンは正々堂々と信用取引をすすめなさい。

今日はマーケットが若干調整しているのでお勉強はお休みして、

「証券マンは正々堂々と信用取引をすすめなさい。」という話をします。

 

その昔、株式の手数料が高かった頃の証券会社はお客様に信用口座を作らせ、わずかな利益で回転売買を繰り返えさせ手数料を稼いできました。お客様の利益よりも自分達が稼ぐ手数料の方が多いのが日常。わずかな利益に高いコスト。儲かるわけがありませんね。次第に資産は目減りしていき事実上資産と信用が無くなってそのお客様は終わる。そして次なるターゲット(お客様)を探す。悪く言えばこんな状態でした。

 

それが通用したのはインターネットがまだ無い時代だったからです。

「株価」を調べるのも店頭や電話で聞かないとお客様はわからない。海外マーケットの動向もわからない。情報の非対称性が生み出していた証券マン優位の時代でした。

その情報格差を利用すればお客様は証券マンに頼るしか手段がないので、言われるがままに売買をする時代。この時代があったからこそ「証券会社=怖い」というイメージにつながり、証券不信はバブル後の失われた20年間の日本経済の低迷と比するような状況を続けていました。

 

しかし時代は変わります。

インターネットが普及しネット証券が台頭し始めます。お客様は自分で株価もわかるし、相場に関する情報が取れるようになり、それまで証券マンとの間にあった情報の非対称性がなくなりました。証券マンの命である「手数料」が少ない上に、お客様も株価を知っている。株価を見ながら「今が買いです!」「今が売りです!」という勢いまかせの商売ができなくなりました。だから大手証券は株を捨て、投信や仕組債などの新たな収益源に走ったのです。それが生んだ悲劇はなんでしょうか。

 

株について語れる証券マンが圧倒的に減りました。

会社名すらろくに知らない。それが証券マンといえるのか。だから多くの個人投資家は証券マンに頼る必要が薄れていきネット証券に流れたのです。当然ですよね。株価はすぐわかるし、コストは安い。今ならそれなりのニュースもネット証券内で配信されていますからね。このままであればこの流れはずっと続くでしょう。

 

では対面の証券マンの価値をどこに見出すべきなのか。

それはやはり

情報や知識を積み上げることでしか価値は生み出せないということ。

 

ネットで一人で売買していたら誰もが多少不安になり、第三者に相談したい気持ちにもなる時は必ずあります。株式投資は特にメンタル面が重要で、個人投資家の多くは損切にためらい、利益が少しでも出るとすぐに利食いしてしまう傾向があるからです。

損切できずにいる時に背中を押してあげる。安易な利食いを思いとどまらせる。それがアドバイザーというものです。もちろん相場ですからその助言通りに上手くいかない時もあります。でも決してお客様はそれを責めないでしょう。

加えて企業に対する知識もあるし金融商品の知識も十分に備えていればお客様はあなたを信用するようになるのです。もしも、あなたから聞いた情報を使ってネット証券で発注するようなお客様がいたら、そんな方は正々堂々とよそへ行ってもらいましょう。いいお客様ではありませんからね。

 

情報や知識には価値がある。

証券マンという形のないものを扱う営業マンは自身の頭の中で勝負するしかありません。日本人は情報にお金を払いたがらない傾向があり、ビジネスでもまだまだそんな感じはしていますが、この流れはいずれ変わってくるものと思います。

きっとあなたの知識にお金を払いたいと思うお客様は出てきます。私がそうですから。私の知識を超えてくる提案をしてくれる証券マンが出てくることを祈っています。その提案には売りも買いも信用VWAPで全てやってあげますからね。見えない手数料高いでしょう。

 

だからごめんなさいね。

投資信託?やりません。自分で投信運用しているようなものだから。

仕組債?やりません。同じようなものを自分でオプション組んで組成できますから。

 

前置きが長くなりましたが、私がタイトルの「正々堂々と信用取引をすすめなさい。」と思うのは、信用取引の方が現物より圧倒的に利便性が高いからです。差金決済はできるし、空売りも出来る。ネットで売買している人のほとんどの方が信用取引をされているのではないでしょうか。

 

今日は海外ほど日本株は崩れていないですが、やや調整色が強い時には空売りすることだってリスクヘッジ手段で使えますからね。私から言わせれば「現物買いオンリー」なんて竹やりで戦場に突入しているようなものです。しかも大手証券の中には信用金利がネット証券に比べて格段に安いところもありますよね。この異次元に低い金利の中で2%、3%って高すぎです。ネット証券が株の手数料をゼロにしたりしているのはこういうところに収益源があるからでしょう。

対面証券ももっとこういうところで差別化できないものですかね。SBI証券がIPOやファイナンスにもどんどん入ってきています。対面証券は手を拱いているだけではなく現実を直視して本気の改革に着手しましょう。

 

もし私が対面証券会社をつくるなら営業マン全員を証券アナリスト資格位は必須にしますよ。

野村証券が新卒を1年間コールセンター配属にしましたが、あれはいいと思います。ならばあわせて研修所でみっちに勉強させて全員証券アナリストを取らせる位のことをやったらもっといいですよ(厳密には1年ではとれませんが)。まあ「密」ですけれど。

 

また大手証券のお客様は富裕層が多いでしょうからね。信用、オプション、先物はフルセットでリスクに備えておきましょうと言っておくのが礼儀だと思います。建てる数量でリスク量を調整すればいいだけですから。

いざマーケットが変動した時に何も動けないことの方がリスクです。「リスクヘッジのために信用口座作っておきましょう」と正々堂々と言えばいいのです。

大統領選もあり、この一週間は動きそうですからね。備えあれば憂いなしです。

 

これは推測ですが、信用もオプションも先物についても理解していないから勧められない証券マンが多いんじゃないですかね。

 

ですから知識を蓄えてぜひ提案に来るのをお待ちしていますよ。

それがあなたの生きる道です。

 

投資は自己責任で!

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