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証券マンのキャリアについて②国内証券に入るには

今日も就職の話。「証券マンのキャリアについて②国内証券に入るには」です。

 

ところで就職企業人気ランキングの速報が出ていましたね。

これを見ると商社で業績の良い伊藤忠が1位。続いて三菱商事と続き、証券業界では大和証券が4位に入り込んでいますね。野村より上なのは違和感を覚えますが、野村は不祥事が続いたからでしょうかね。少し空いてSMBC日興証券が19位ですね。

 

これらの就職人気ランキングも色々な発表元が出しているので、実際のところは本当かどうかはわかりません。企業側の広告出稿量がランキングに影響を与えるとも言われたりします。

昨日紹介した外資系証券や有名なコンサルなんかは入っていませんが、それらは圧倒的に採用数も少ないですし、トップクラスの学生しか入れないのがわかっているので、そもそも入りたい候補として入っていないのでしょう。

ですから「絶対に入れるとしたらどの会社がいいか?」と聞いたら全く順位はかわるでしょうね。

 

さて「国内証券に入るには」についてですが、昨日の外資系証券と比べたら関門は低くなります。

証券会社といえば「厳しいノルマ」があって、入社して1年で1/3は辞めていくなんていわれていたので人気はそれほど高くないように感じましたが、近年は市況もいいですし、昔のような「夜討ち朝駆け」の営業活動も倫理的に否定される世の中になっているので、少し変わっているようです。三大証券(野村・大和・日興)あたりが採用する学生の大学レベルも随分と高くなっているように感じます。また早期離職率もだいぶ改善はしているようです。

加えて銀行の店舗型ビジネスモデルが時代的に求められなくなっており、人気がやや下降気味(そうは言っても銀行は安定・高収入で人気です。)なこともあり証券会社に目が向きやすいのかもしれません。

 

しかし私が就職活動されている学生の方々に問いたいのは、

「証券会社で何がしたいのか?」

ということです。

 

昨日の記事でご紹介した花形の「投資銀行部門」「トレーディング部門」は大手の国内証券には当然のようにありますが、新卒でいけるのはほんの一握り。そもそも採用コースを分けている会社も多いです。

ですから花形部門のイメージだけに憧れて、ただ漠然と証券会社に入りたいと思うのはのちのちの後悔につながるのでやめましょう。大手国内証券では本社部門へいきなり配属されるのは採用人数の10%もいないでしょう。尚、準大手以下クラスになると「投資銀行部門」「トレーディング部門」が無いリテール特化の会社も多いですからよく調べてくださいね。

ちなみに旧三大証券(野村・大和・日興)に三菱とみずほを加えて五大証券位でないと「投資銀行部門」「トレーディング部門」についてはなかなか法人のお客様に食い込んでいくのが大変なので業務のスケールがかなり落ちてしまいます。

ですから目指すならまずは五大証券です。

自分の大学を考えると心配だと思う方もいらっしゃるでしょう。確かに学歴は採用に際して大きな判断軸ではあるものの、貴方が英語がペラペラだったり、差別化できる資格を持っていれば多少の大学の差は飛び越えますので決して諦めないでください。

入ってしまえば証券会社は「勝てば官軍」の世界です。入った後は大学なんてあまり関係なし。成績を出すかどうかですから。たとえ東大を出ていたとしても、成績がだせなければその後のキャリアは思う通りにはいきませんし、脱落する方もいますからね。

 

もしあなたが国内証券で入社後からすぐに花形部門本社部門へ行きたいなら昨日の外資系証券へ入るのと同じように他の志願者と比べて差別化をする必要があります。

英語のレベルは当然高くないとダメです。今の時代、大学生でTOEIC800点台レベルはざらですからね。ここが低いといきなり本社はなかなか厳しいです。外資系証券に入れず溢れてきた英語力の高い学生が落ちてくるため、国内大手の花形部門へ行くには彼らと戦わないといけません。そのためにはまずは英語力が高くないとダメなのです。

 

英語が互角だとした上で他の物差しに移ります。資格ですね。

証券アナリストはもちろんあればいいですが受かるまでの期間を考えるとなかなか難しいでしょう。その場合は証券アナリスト1次合格(3科目あり1科目ずつ取れますからどれか一つでも持っているといいです。)、FP資格、簿記2級などを目指しましょう。FP資格については学んだノウハウを本社業務で使うことはほぼ無いのですが、学生時代に頑張っていた、ということが評価されますし、そもそも配属はリテール営業がほとんどなのでまず「証券会社に入る」という目的であれば大いにアピールできます。

 

そして最後にその人の特性ですね。証券会社で大事なのはコミュニケーション能力の高さ、メンタル面の強さ等があるかです。それを判断する上では、面接がとても大事です。

・圧迫面接をされて物怖じしてまったり、

・知らないことを聞かれて適当に誤魔化してしまったり、

これらは良くありませんからね。すぐ見抜かれますから。

「勉強不足で申し訳ありません。すぐに調べてご回答します。」位でないといけません。証券マンは大量に覚えなければいけないことがあり、お客様からの問いに対してわからないことも多いです。しかしその時に適当にごまかしたり、嘘をついたりしてしまうと会社の信用は落ちますから。

わからないことはわからない。すぐに調べて回答する、という誠意のある対応をしなければいません。これは証券会社に限ったことではないですけれども。

あと会社説明会や集団面接が終わったあとに、ふと気が抜けて学生さが出てしまったりたら見抜かれますからね。遠足ではないですが「家に帰るまでが就職活動」です。

 

ただ貴方がどんなに頑張っても希望の業務につけない。これは仕方がないことです。相手がある話ですから。本社勤務がかなわずリテール営業に配属されたとして貴方はそこで「よしリテールで頑張ろう!」と思えるかどうかです。リテール営業で本当に頑張っている人は人事も注目するので若くして本社勤務になることも結構あります。ただそこには全国の営業マンとの熾烈な競争に勝つ、という前提がありますからね。中途半端な気持ちで営業をしていても全国の営業マンにはなかなか勝てないですから強い気持ちが必要です。

 

と、ここまで本社勤務したい前提で話をしてしまいましたが、もちろん営業一筋を希望されその後営業課長、支店長のキャリアを志す方も多いです。本社部門を全く経験されない方の方が実は多いかもしれません。

そして、もしあなたがリテール営業希望であれば入社への関門はもう一段下がります。

しかし上述の通り、大手証券だと最近は大学のレベルが上がっていますので、大学名に自信が無い方は英語や資格取得の自己研鑽してください。

英語も今からでは手遅れと思っている方は、リテール営業に絞ってそのためにFP資格を取りましょう。そしてなぜ本社じゃなくリテール営業希望なのかについて十分に納得させる説明が出来ることが大事です。「本当は本社希望だけどリテール営業希望と言わないと入れないから」と感じても、その雰囲気を面接で出してはダメです。微塵も出さないようにしましょうね。徹底してリテール営業希望を伝えることが他者との差別化になりますから。

そしてあとは入社してから考えましょう。

 

また五大証券でも銀行系と独立系はやや色合いは違います。

「半沢直樹」の世界ではないですが、銀行系の証券会社は本社部門に銀行からの出向者が沢山来て主要ポジションは銀行出身がおさえていることは本当にある話です。ですからプロパーで証券子会社に入るとあのドラマのシーンのような不平不満は当然に起こりうる話です。そうなると証券子会社にプロパー入社をした社員はリテール営業が私の生きる道なんて方も多いでしょう。

そういう不条理は嫌だと思うのであれば野村証券大和証券などの独立系証券を選ぶのも一つかもしれませんね。しかし銀行系は銀行系でいいこともあります。銀行との連携も多いですし、証券から銀行へ出向なんてこともあるので違った視点で学べることもありますね。銀行とって証券ビジネスは中核事業ですから。

また銀行系の中でもSMBC日興証券は今回社長が証券プロパーに戻ったように証券側のパワーがまだ残っている会社もあれば、みずほ証券は役員クラスはほぼ興銀出身が占めているように圧倒的に銀行が強そうな会社もあります。

どの会社が良さそうかは会社説明会でしっかりと調べて下さいね。

面接では「(五大証券のうち)なぜうちがいいの?」と聞かれるでしょうから、

その答えはしっかり用意しておきましょう。

 

取り留めのない文章になりましたが、今日お伝えしたかったのは、

「証券会社で何がしたいの?花形?それ以外の本社?リテール?」

「本社勤務希望してもリテール配属の方が可能性高いけどそれでいいの?」

「リテール配属から本社へ行くには熾烈な戦いが待っているけれど大丈夫?」

「(五大証券のうち)なぜうちがいいの?」

という問いに対して、自信を持てるかどうかを自問自答してください。。

中途半端な気持ちで勝ち抜けるほど証券会社の営業は甘くないですからね。

 

一度しっかりと考えてみてください。では。

 

※ネガティブな話ばかりですみません。最後に一ついいお話を残しておきますと、今のようなマーケット環境であれば証券会社の給料は相当いいですよ。30歳で1,000万円プレーヤーは十分狙えるはずです。これは本社も営業もです。

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