何のために働いているの?
少し前、とある大手ではない証券会社のお偉いさんと話しました。顧客としてではなく経営目線の何気ない雑談です。
そこで出てくる言葉は、部門の数字のことばかりで、何か顧客向けのサービスをどう改善していこうとかではなく、「今のやつらは使えない」「数字を稼げる人間を採用したい」「客を持っている人間がとりたい」という話ばかり。
感じたのは、「変わらないな」と。
おいおいあなた役員でしょ?そんな気持ちで経営していて大丈夫?ただ人を入れ替えるだけだと会社は何も成長しないよ、と。
証券マンは数字が命であったことは事実。稼いだ人間が偉いし、稼いでいれば偉くなれる。これはどこの業界でも同じものかもしれません。ただそればかりを考えて長い会社人生を過ごすのは本当に楽しいですか?
そんな方に捧げます。
二人の石切り職人
旅人がある町を通りかかりました。
その町では新しい教会が建設されているところであり、建設現場では二人の石切り職人が働いていました。
興味を持った旅人は一人の石切り職人に聞きました。
「あなたは、何をしているのですか。」
その問いに対して石切り職人は、不愉快そうな表情を浮かべぶっきらぼうに答えました。
「この忌々しい石を切っているところさ。」
そこで旅人は、もう一人の石切り職人に同じことを聞きました。
するとその石切り職人は、表情を輝かせ、活き活きとした声でこう答えたのです。
「ええ、今、私は多くの人々の心の安らぎの場となる素晴らしい教会をつくっているのです。」
ヤン・カールソン「真実の瞬間」より引用
同じ働くにしてもその心の持ち方次第で、自分自身の気持ちがもっと幸せになれるはずです。
またそれは上に立つ人間であればあるほどそのような気持ちであるべきです。なぜならリーダーが空気を作り、環境を作るからです。ただ数字、数字と責め立てるだけではなくて、どうしたら部下がモチベーション高く働けるかを誰よりも考えて行動しなよと。ただ数字を管理するだけなんてリーダーの仕事ではありませんからね。部下に足りないことがあるならばもっと教育に時間を割きなさいね。
引用したヤン・カールソンは若くして赤字転落しそうだったスカンジナビア航空を立て直した素晴らしいリーダーです。やり方は航空会社でありがちなコストカットではなく、顧客サービスを徹底して見直したことです。リーダーシップの勉強にもなる本なのでリーダーはぜひ読んでいただきたい。
では金曜日、楽しい気持ちで仕事をしましょう!よい週末を!