いざという時の対処法
さて今夜はいよいよ米大統領選挙。開票は明日の午前中からですね。
今回は郵便投票が多いため、結果判明まで時間がかかることや、「郵便投票は違法だ!」とトランプ大統領が負けそうな場合にダダごねリスクがありますね。
マーケットは不透明さを嫌うので、どちらでもいいから早く決まってくれ、ということを投資家が望むのでしょう。
4年前はPCの前で各州の得票情報を見ながら、カチカチ、カチカチやって
「えっ・・!」
「嘘でしょ?」
「え、まさかそんなことおきるの?」
「まじでトランプになってしまったよ~~」
と気持ちが推移していったのを覚えています。
あの時はマーケットは大クラッシュしましたね。結果的には数日で戻しましたが、下で売らされた方も多いのではないかと思います。
あの時は多くの人がクリントン有利と見ていたのでトランプ当選が想定外だったからですね。
今回は基本はバイデン有利。しかしトランプが前回同様に逆転勝利するかもしれない。トランプ氏のダダごねで大統領選は長引くかもしれないと、いうことまではある程度マーケットは織り込んでいますね。しかも変動に備えてある程度事前に調整を済ませている、という点も前回と違います。
ですから決定したら上かなと感じている人は多いと思います。
コロナ直後の株上げ当初にメディアや専門家が「二番底あるよ、二番底あるよ」とみんな口を揃えて行っていたので、投資家もそれに備えていたので起きていない。そんな状況に似ている気がします。
マーケットが混乱するのは本当にほとんどの人が考えもしなかったことが起きた時です。これをブラックスワンといいますね。
そこで今日は、このブラックスワンが起きた時にどうするべきか『いざという時の対処法』について
いきなり答えになっていないのですみません。
それは対処法はあまりない。常日頃から心にゆとりを持てるポジション量にしておくということです。当たり前ですがこれが一番なんです。
中には、信用MAXで最大リターンを狙っている方もいて、もちろんいい時はいいのですが、マーケットのクラッシュって想定外のことから発生するので、極めて危険性が高いです。井上尚哉選手にノーガードで立ち向かうようなものです。
一度クラッシュに巻き込まれると想像以上のダメージを受けて、場合によっては戦いの場から退場を迫られる人を何人も見てきました。
ですから常に心にゆとりを持てるポジション量にしておく、これしかありません。
しかし、ポジションにゆとりはあっても10%も株価が下落したら気が気ではありませんね。そんな時はポジションをある程度ニュートラルに近づけます。一度ボラティリティが高まるとしばらく乱高下することが結構多いですから。
また、ここからは私が実践していることなのでご参考程度にしてください。
・少しでも怪しいなと感じたら、ポジションをニュートラルに近づける。
個人的経験談ですがマーケットで「少し下がり始めた。嫌な予感がするな。」と感じる時には、だいたいその通りになることが多いです。
なぜならその「少し下がり始めた。嫌な予感がするな。」は当たり前のように他の方も感じているからです。気持ちの変遷はこんな感じです。
①嫌な予感から売る人が出始める。
すると下がる。
②また下がったから心配になって売る。
するとまた下がる。
③ああやばいこれは売るしかない、と思い売る。
するとまたまた下がる。
④もうだめかーとなって売りが殺到する。
すると一気に下がる。
⑤信用ポジション等のルールによって自動的に売られる。
暴落
これらのうち、①や②位にいるなと思ったら私はポジションを一旦売るかニュートラルにします。割安銘柄であっても、低位株でもマーケットが崩れる時は下がりますからね。また安く仕込めるからと思って整理をします。ここは思い切りが必要です。
私も経験してきましたが大きな失敗パターンは④や⑤で売ってしまうことです。
その突発的に起きている事象が本当に企業価値等にマイナス影響を与えることであれば売りで正解でしょうが、そうでなければ慌ててはいけないと思っています。
起きていることが大きな影響がなさそうなのであれば、①や②までで売れなかったら慌てず待つことにしています。しかしながら上述した通り常に心にゆとりを持てるポジション量にしておく、やはりこれしかないのです。心にゆとりの持てるポジションであれば「待てる」、「買える」からです。
マーケットは変動が大きい時にはポジション量を減らすような動きをする投資家も多いですし、機関投資家は購入価格より一定の下落率を超えると、強制的に売却をしなければいけないリスク管理ルールを導入していることがほとんどです。
売らなければいけないから売るという動きの後には、また買わなければいけないから買うということも起きますから。
今年一番私が自信をもってトレードできたのは、3月末のREITの大幅下落です。
特徴的でしたね。利回り商品であるREITを価格が一定割合下がったから機関投資家が売らなければならない。売るから下がる。下がるから売るという負の連鎖。
私自身はコロナの当初にポジションを減らしつつあったこもありますが、あそこは自信を持って立ち向かえました。最安値より一日前で買い終えてしまったのがまだ未熟なところですが、結果的には短期間で素晴らしいリターンでした。
あの場面、コロナの影響が読み切れなかったので正直株式にはあまり自信がありませんでしたが、利回り商品のREITには下方硬直性があるので自信が持てました。あの時は投資家別売買動向でも多くの個人投資家が大幅な買い越しで大勝利でしたね。
でもこういうことは年に一度あるかないかのチャンスです。一年のリターンはここだけでも十分なのです。
ですからこういうチャンスに動きがとれるように、心にゆとりの持てるポジションにして「買える」余力を残しておくべきと思います。
また、保有銘柄数が多くて売るのが大変な場合は先物や空売りでポジションをニュートラルに近づけることもできますね。(先物や空売りの詳細はまたやりますので、そんな方法があるのか程度で構いませんので。)
どんな方法があるかと言いますと、
・東証一部銘柄の流動性が高い銘柄がポジションに多い場合、
→日経平均ミニ先物をショートする。
しかし流動性が低い銘柄でポジションを占めていると対応が大変ですね。
なぜなら流動性が低い銘柄は一気に価格が下がりやすいからです。
上で例えた気持ちの変遷で表すと①、②の状態からいきなり⑤にいってしまう感じです。買いの値段がそこにあるから売る。そのついた価格に意味がない状態。
基本的には流動性はとても大事なので、株を買う時には意識しておいてほしいことでありますが、ただ誰もまだ気づいていないような有望銘柄って流動性が低いことも多いですからね。痛し痒しです。
そういう銘柄でポジションを固めている時はクラッシュが起きた時に結構大変です。
これは個人的手法なのでご参考程度にしておいていただければと思いますが、
マザーズ先物もありますが使い勝手が悪い。したがってマザーズ市場の大きな貸借銘柄(例えばメルカリ)をいくつか空売りしてポジションをニュートラルに近づけることをいていました。
私がマザーズの雰囲気が悪そうだなと感じた時には、マザーズの信用の買い残が多い流動性のある銘柄、株価が調整しそうな銘柄を中心に空売りします。その時その時によって銘柄は変わりますが。
ただこのようなある銘柄を買って、別の銘柄を売るようなロングショート戦略は、「又裂き」と言って、下がると思う銘柄が上がってしまい、上がると思う銘柄が下がるダブルパンチを食らうこともあるので、リスクヘッジとはいいながらもリスクが伴うことに注意が必要です。
ですから出来るだけそのロングショート状態が長く続かないように、一旦ニュートラルに近づけながらも後々ポジションを減らすなどして調整していきました。
最後は小手先の事を書いてしまいましたが、
今日お伝えしたいことは常日頃から心にゆとりを持てるポジション量にしておくこと。
これにつきます。
では。投資は自己責任で。