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マーケットの専門家に意識してもらいたい「守破離の思想」

私がよくコメントしますが、マーケットの専門家の人ってだいたいコメントが似たり寄ったりですよね。

それは伝統的に受け継がれた今までのマーケットの見方や・物差しを使ってしか判断をしていないからです。若い頃から先輩や上司に教育されていたことが正しいと信じ、その物差しでしかものが見られなくなる癖がついているからかもしれません。

 

最近よく聞く「実態経済とマーケットはかい離しいる」議論とかもそうです。これにいたっては、「マーケットと実態経済が一致していた時期はいつなの」と逆に聞きたいですし、「あなたのコメントとマーケットがかい離している」とも言いたいです。

 

私たちが悪戦苦闘して戦っている「マーケットさん」は「昔と同じように動こう、過去の物差しで動こう」なんて思ってくれません。

今、世の中で起きていることは前例がなく、それを過去の物差しで測ろうなんで間違っていることです。そもそも同じようなことは起きても同じことなんて起きませんから。

ですから専門家は独自の新しい切り口をもっともっと出していってほしいなと願っています。

 

そんな方々へ向けてご紹介。

守破離(しゅはり)という言葉があります。

これは日本の武道等においての師弟関係のあり方の一つなのだけれど、くわえて言うならば物事を習得する段階を表している言葉。

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「守破離」

「守」とは、武道を学ぶにあたって、師や各流派独自の教えや形、技などを忠実に守り、それからはずれることのないよう精進して、その教えを堅く守って身につけることである。

 

「破」とは、今まで学んで身につけた教えや形、技が確実に身につき、修行がさらに進んでいけば、自然と他流の師の教えも心がけ、他流のよい技を取り入れていく。そして自己の守ってきた形の技を破って、心と技を発展させていくのである。

 

「離」とは、破の状態よりさらに修行していくうちに「守」にとらわれず、また「破」も意識せず、おのずから一つの形、流派を離れて新機軸を開いて、独自の新しいものを生み出して、修行していくことである。

 

この「守破離」の精神は単に武道ばかりでなく、人間の生き方すべてにとって大事なことである。

(出所「日本刀精神と抜刀道」)

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勿論、この順番はとても大事で、いきなり「離」を目指そうとしたり、基礎を学ばずにホラ吹き的なこと言って注目を集めても全く信じてもらえません。

まずはしっかり基礎である「守」を固めること。つまりは基礎固めは極めて重要です。専門家で言えば経済、経済指標、投資の基礎、企業財務等これらを理解することは必要です。しっかり基礎が出来ていないと応用は聞かないし、良い発想も生まれてきません。

マーケットの専門家でTVに出てくる方々は当然「守」は出来ています。しかし多くの方は「破」で止まっている人が多い気がするのですよね。他のアナリスト、ストラテジスト、エコノミストの書いてあるものを読んでいいものは取り入れていく。これはやっていらっしゃいると思います。

でもそこから独自の形を切り開き「離」の領域まで言っている方は、まだまだ少ないと感じます。独自の理論、独自の指標なかなか見ません。過去見たものの使い回しが多いです。

ただこれは大手企業という看板を背負っている手前、突拍子もないことは言いにくい事情はわかるのですけどね。

 

モーニングサテライトを見ていてもみんな同じようなことを仰っていてあまり面白くないなと感じてしまう今日この頃です。ぜひもっとエッジの効いた方に登場していただきたいと思っています。

 

この「守破離の思想」。お仕事をされている方、投資家の方、多くの皆さんに当てはまることだと思います。基礎固めをした上で、自分なりの仕事のやり方や、自分なりの投資スタイルを確立される方こそ強いですよね。成功されている方はそれができているのだと思います。

 

では今日はこの辺で。

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